Google Chromeが52件の脆弱性を修正、2日後にさらに21件。最新版「156.0.8078.79」への更新と、社内のパソコンで確認したいこと

この記事を約3分で解説
2026年10月27日、Googleはブラウザー「Google Chrome」の更新を公開し、52件の脆弱性を修正しました。そのうち4件は、深刻度がいちばん高い「重大(Critical)」です。
ニュースでは「52件を修正」と報じられましたが、話はそこで終わりません。2日後の10月29日には、さらに21件の脆弱性を修正した更新が出ています。こちらにも「重大」が1件含まれます。
つまり、10月27日の版に更新しただけでは、まだ最新ではありません。この記事では、今入れるべきバージョン、確実に更新する方法、社内のパソコンで確認したいことを整理します。
この記事は2026年10月30日時点の公開情報をもとに作成しています。Chromeの更新は頻繁に出るため、最新情報は記事末尾の参考情報(Googleの公式発表)もあわせてご確認ください。
まず結論:やること
- Chromeの「設定 → Chromeについて」を開き、更新を確認する
- 「再起動」のボタンが出たら、押して再起動する(再起動するまで修正は反映されません)
- バージョンが 156.0.8078.79 以降(WindowsとMacは .79 または .80)になっていることを確かめる
- Androidのスマートフォンは、Google Playでアプリを更新する
- 会社のパソコンは、全員分が更新されているかをまとめて確認する(管理ツールがあればそこで、なければ各自に確認してもらう)
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何が修正されたのか
10月27日:52件の脆弱性を修正
Googleは10月27日、パソコン版のChromeをバージョン156.0.8078.73/.74に更新しました。修正された52件の内訳は次のとおりです。
| 深刻度 | 件数 | 主な例 |
|---|---|---|
| 重大(Critical) | 4件 | ファイルを扱う機能(FileSystem、FileAPI)、画像を描く部品(Skia)、ページの配置を決める処理(Layout)の問題 |
| 高(High) | 46件 | JavaScriptを動かす部品(V8)、PDFの表示(PDFium)、ビデオ通話(WebRTC)、支払い(Payments)などの問題 |
| 中(Medium) | 2件 | 画面の描画(Paint)、アニメーション(Animation)の問題 |
10月29日:さらに21件を修正
その2日後、10月29日には、バージョン156.0.8078.79/.80が公開され、さらに21件が修正されました。
| 深刻度 | 件数 | 主な例 |
|---|---|---|
| 重大(Critical) | 1件 | カメラやマイクの映像・音声を扱う機能(MediaStream)の問題 |
| 高(High) | 19件 | ファイル、自動入力(Autofill)、通信(Network)、V8などの問題 |
| 中(Medium) | 1件 | ファイルを扱う機能(FileSystem)の問題 |
10月27日の版で修正された52件と合わせると、2日で73件です。
修正後のバージョン
| 環境 | 10月27日の版 | 最新の版(10月29日) |
|---|---|---|
| Windows | 156.0.8078.73 / .74 | 156.0.8078.79 / .80 |
| Mac | 156.0.8078.73 / .74 | 156.0.8078.79 / .80 |
| Linux | 156.0.8078.73 | 156.0.8078.79 |
| Android | 156.0.8078.73 | 156.0.8078.79 |
WindowsとMacでは、環境によって末尾が .79 と .80 のどちらかになります。どちらでも修正内容は同じです。
実際に悪用されているの?
10月27日と29日のGoogleの発表には、「すでに攻撃に悪用されている」という記載はありません。今すぐ被害が広がっている状況ではありませんが、修正の中身が知られると、それを狙った攻撃が作られやすくなります。できるだけ早く更新するのが安全です。
脆弱性がブラウザーにあると、何が危ないのか
ブラウザーは、インターネット上のあらゆるページを開く入口です。今回のような「メモリ破損」や「解放後使用(use after free)」と呼ばれる種類の脆弱性は、細工したWebページを開かせるだけで、ブラウザーを不正に動かされるおそれがあります。
ほかの脆弱性と組み合わされると、次のような被害につながることがあります。
- パソコンにウイルスなどを入れられる
- ブラウザーに保存したパスワードやログイン状態を盗まれる
- 社内の業務システムやクラウドサービスになりすましでログインされる
いまは、会計、勤怠、メール、顧客管理など、多くの業務をブラウザーで行っている会社がほとんどです。ブラウザーの更新は、会社の情報を守るうえでいちばん手軽で効果の高い対策のひとつです。
更新しても「再起動」しないと直らない
Chromeは基本的に自動で更新されます。ただし、自動で行われるのは新しい版のダウンロードまでです。修正が反映されるのは、Chromeを再起動したときです。
Chromeを閉じずに何日も使い続けていると、更新はダウンロード済みなのに、古い版のまま動き続けます。右上に「更新」や「再起動」の表示が出ていたら、それが合図です。
また、Googleは今回の更新を「数日から数週間かけて順次配信」するとしています。自動更新を待っていると、手元に届くまで時間がかかることがあります。手動で確認すれば、すぐに最新版を入れられます。
自分のChromeを確認・更新する方法
パソコン(Windows・Mac)
- Chromeの右上の「︙」(縦の3つの点)を押す
- 「設定」→ 左のメニューの「Chromeについて」を開く(アドレス欄に
chrome://settings/helpと入れても開けます) - 自動で更新の確認が始まる。新しい版があればダウンロードされる
- 「再起動」ボタンが表示されたら押す(開いていたタブは、再起動後に元に戻ります)
- もう一度「Chromeについて」を開き、バージョンが 156.0.8078.79 以降になっていることを確かめる
Androidのスマートフォン
- Google Playを開き、右上のアカウントのアイコンを押す
- 「アプリとデバイスの管理」→「利用可能なアップデート」を開く
- 一覧にChromeがあれば「更新」を押す
Android版も、Google Playでの配信は数日かけて順次行われます。まだ更新が出ていない場合は、少し時間をおいてもう一度確認してください。
iPhone・iPad
今回Googleが公表した修正の一覧は、パソコン版とAndroid版のものです。iPhone・iPad版のChromeも、App Storeで最新版にしておきましょう。あわせて、iOS・iPadOS自体も最新にしておくと安心です。
会社のパソコンで確認したいこと
1. 全員のChromeが更新されているか
社員が多いと、「自分は更新したつもり」でも、再起動していない人が残っていることがよくあります。
- Google WorkspaceやChrome Enterpriseで管理している場合は、管理画面からバージョンの一覧を確認できます
- 管理ツールがない場合は、社内チャットなどで「Chromeについて」の画面を開いて再起動してくださいと全員に呼びかけ、バージョンを報告してもらうのが確実です
2. 更新を止める設定になっていないか
業務システムとの相性を理由に、Chromeの自動更新を止めている会社があります。その場合は、今回のような更新が届きません。止めている理由と、更新する手順を見直しましょう。
3. Chrome以外のブラウザーも更新する
Microsoft Edge、Brave、Operaなど、多くのブラウザーはChromeと同じ土台(Chromium)で作られています。Chromeで見つかった脆弱性は、これらのブラウザーにも関係することが多いため、各ブラウザーの更新もあわせて確認してください。Edgeは「設定 → Microsoft Edgeについて」から更新できます。
AIが見つける脆弱性が増えている
今回の52件の一覧を見ると、発見者の欄にAIの名前がいくつも並んでいます。
- Anthropic(Claudeを開発する会社)の研究者が「Claudeの助けを借りて」見つけたもの:「重大」2件を含む6件
- AnthropicとAda Logics(セキュリティ企業)が見つけたもの:2件
- OpenAIのCodex Security(AIでコードの欠陥を探すサービス)が見つけたもの:4件
AIを使って脆弱性を探す取り組みが広がり、見つかって修正される件数が増えています。守る側にとっては良いことですが、同じ技術は攻撃する側も使えるということでもあります。修正版が出てから攻撃が始まるまでの時間は、これから短くなっていくと考えておいたほうが安全です。
10月27日には、AnthropicのAIがLinuxの脆弱性を使った攻撃コードを作れたという発表もありました(詳しくは「Linuxカーネルの重大な脆弱性「CVE-2026-98432」」の記事で解説しています)。更新が出たら早めに当てることの大切さは、ますます高まっています。
よくある誤解
| よく聞く話 | 実際は |
|---|---|
| Chromeは自動更新だから何もしなくていい | ダウンロードは自動ですが、再起動するまで修正は反映されません。また、配信は数日〜数週間かけて順次行われます |
| 10月27日の版(156.0.8078.73/.74)にすれば大丈夫 | 10月29日にさらに21件を修正した版(156.0.8078.79/.80)が出ています。こちらが最新です |
| Chromeを使っていなければ関係ない | EdgeやBraveなど、Chromeと同じ土台のブラウザーにも関係することが多いので、それぞれ更新を確認してください |
| 52件も見つかるなんて、Chromeは危ないブラウザーだ | 多くの人が使うブラウザーは、そのぶん多くの研究者が調べています。見つかった脆弱性がすぐに直されることは、むしろ健全な状態です。大切なのは、利用者が修正版を早く入れることです |
C-TechLabにできること
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- 社内のパソコンやブラウザーの更新状況の確認
- 更新を確実に行うためのルールづくりと仕組みの導入
- ホームページや業務システムのセキュリティ対策と保守
「何から手をつければいいか分からない」という段階でも大丈夫です。お気軽にご相談ください。
よくある質問
Chromeの最新のバージョンはいくつですか?
2026年10月30日時点で、パソコン版のChromeの最新版は、WindowsとMacが156.0.8078.79または156.0.8078.80、Linuxが156.0.8078.79です。Android版は156.0.8078.79です。10月27日に公開された156.0.8078.73/.74のあと、10月29日にさらに21件の脆弱性を修正した版が出ています。
Chromeのバージョンはどこで確認できますか?
Chromeの右上の「︙」から「設定」を開き、左のメニューの「Chromeについて」を選ぶと確認できます。アドレス欄に chrome://settings/help と入力しても開けます。この画面を開くと更新の確認も自動で始まり、新しい版があればダウンロードされます。
更新したのにバージョンが変わりません。なぜですか?
Chromeは、新しい版をダウンロードしたあと、再起動するまで古い版のまま動き続けます。「Chromeについて」の画面に「再起動」のボタンが出ていれば、押して再起動してください。開いていたタブは、再起動後に元に戻ります。
今回の脆弱性は、実際に攻撃に使われていますか?
2026年10月27日と29日のGoogleの発表には、実際の攻撃に悪用されているという記載はありません。ただし、修正の内容が知られると、それを狙った攻撃が作られやすくなるため、できるだけ早く最新版に更新してください。
Microsoft Edgeも更新が必要ですか?
Microsoft Edgeは、Chromeと同じChromiumという土台で作られているため、Chromeで見つかった脆弱性が関係することがあります。Edgeの「設定」から「Microsoft Edgeについて」を開き、最新版になっているか確認してください。Brave、Operaなど、ほかのChromium系のブラウザーも同様です。
参考情報
- Google Chrome Releases「Stable Channel Update for Desktop」(2026年10月27日、52件の修正)
- Google Chrome Releases「Stable Channel Update for Desktop」(2026年10月29日、21件の修正)
- Google Chrome Releases「Chrome for Android Update」(2026年10月29日)
- ASCII(Yahoo!ニュース)「Google Chrome、52件の脆弱性を修正 早めの更新を」(2026年10月28日)
- Google Chrome ヘルプ「Google Chrome を更新する」


