WordPress 7.2で何が変わる?更新前にサイト運営者が確認すべきこと

この記事を約4分で解説
2026年10月20日、次の大型アップデート「WordPress 7.2」のベータ版(ベータ1)が公開されました。正式版は12月8日に公開予定です。
7.2では、編集画面の機能追加に加えて、管理画面のアイコンの描き方や、データベースへの接続時の設定など、目に見えにくい部分にも変更が入ります。テーマやプラグインの作り方によっては、表示や動きが変わる可能性があります。
また、10月にはWordPress 7.1.3のセキュリティリリースや、PHPの脆弱性「PHP2Shell」、バックアップ系プラグイン「UpdraftPlus」の連携機能を悪用した攻撃など、管理に関わるニュースが続きました。
この記事では、WordPressサイトの運営者に向けて、7.2で何が変わるのか、そして本番サイトを更新する前に何を確認しておけばいいのかを整理します。
この記事は2026年10月26日時点の公開情報をもとに作成しています。WordPress 7.2はまだベータ版のため、正式版までに内容が変わる可能性があります。最新情報は記事末尾の参考情報(WordPress公式の発表など)もあわせてご確認ください。
まず結論:やること
- WordPress 7.1.3以降になっているかを確認する(まだなら、今すぐ更新する)
- 7.2のベータ版は本番サイトに入れない。試すならテスト環境で
- 12月8日の正式版に向けて、バックアップ・テーマとプラグインの対応確認・PHPのバージョン確認を進めておく
- 正式版が出たら、ステージング(テスト環境)で確認してから本番を更新する。年末の繁忙期にあたるため、作業日を早めに決めておく
- UpdraftPlusを使っている場合は、最新版への更新と、UpdraftCentralの接続キーの確認をする
「更新したらサイトが崩れないか心配」「どこまで確認すればいいか分からない」という方へ
C-TechLabでは、WordPress 7.2への更新前の動作確認や、バックアップ、プラグイン・PHPの対応確認を代行しています。初回のご相談は無料です。
WordPress 7.2のスケジュール
WordPress公式が発表している予定は次のとおりです。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 10月20日 | ベータ1(公開済み) |
| 10月27日/11月3日/11月10日 | ベータ2〜ベータ4 |
| 11月17日/11月24日/12月1日 | RC1〜RC3(リリース候補版) |
| 12月8日 | WordPress 7.2 正式版 |
公式は、日程に直前で調整が入る可能性があるとしています。ベータ版やRC版を重ねるごとに、機能の追加や修正が続く予定です。
ベータ版は本番サイトに入れない
ベータ版は、開発者や制作者が事前に動作を試すための試作版です。WordPress公式も、ベータ版はテストと開発のためのものであり、本番のサイトや重要なサイトにはインストールしないでくださいと明記しています。
試してみたい場合は、テスト用のサイトやパソコン上の環境を使いましょう。ブラウザだけでWordPressを試せる「WordPress Playground」でも、ベータ版を動かせます。
WordPress 7.2の主な変更点
ベータ1の発表で紹介されている主な変更点を、運営者に関わりそうなものを中心にまとめます。
編集画面・管理画面の変更
- 画面の幅ごとのデザイン設定が広がり、ギャラリーの列数や画像の切り抜き、縦横比を、スマホ・パソコンなど画面の幅ごとに変えられるようになる
- 文字の影(テキストシャドウ)を付けられるようになる
- ナビゲーション(メニュー)の項目を、編集画面のサイドバーから追加・整理・編集できるようになる
- 「メモ(Notes)」機能に、絵文字のリアクションなどが追加される
- 画像をアップロードする前に、ブラウザ上で縮小・圧縮・形式の変換ができるようになる
- ダッシュボードに、過去の同じ日に公開した記事を表示する「On This Day」ウィジェットが追加される
- 管理バーやサイドメニューのアイコン(Dashicons)が、新しいアイコンに置き換わる
- 管理画面の読み込みを速くする改善
開発者向けには、パスワードやAPIキーなどを安全に保存するための仕組み(Secrets API)なども追加されます。
テーマやプラグインに影響しうる変更
開発者向けの情報では、次のような点に注意が呼びかけられています。
- ギャラリーブロックのCSSの効き方が変わる。テーマ側でギャラリーの見た目を調整している場合は、表示の確認が必要
- WordPress本体のアイコンが線で描く形式に変わり、これまでのCSSの指定で色を変えていた場合、色が変わらなくなることがある
- 一部の部品が「非推奨」となり、7.4で削除予定とされている
普通にサイトを運営しているだけであれば大きな影響はないと考えられますが、独自にカスタマイズしたテーマや、管理画面の見た目を変えるプラグインを使っている場合は、更新前に表示を確認しておくと安心です。
データベースの「古い設定」を使わなくなる変更
10月9日、WordPressの開発チームは、7.2でデータベースへの接続時の設定の扱いを変更すると発表しました。
対象は、MySQLの「NO_BACKSLASH_ESCAPES」という設定(SQLモード)です。WordPressは、データベースに送る命令の中で、特殊な文字を「\(バックスラッシュ)」を使って安全に扱っています。ところが、この設定がオンになっていると、バックスラッシュがただの文字として扱われてしまい、データの読み書きが失敗したり、正しくないデータが返ってきたりするおそれがあります。
一部のサーバーでは、この設定がオンになっていることがあり、これまではそうしたサーバーで原因の分かりにくい不具合が起きることがありました。
7.2からは、WordPressがデータベースに接続するときに、この設定を自動的にオフにするようになります。変更されるのはWordPressの接続だけで、サーバー全体の設定が変わるわけではありません。
公式は「ほとんどのサイトでは、違いに気づかない」としています。運営者の方が特別な作業をする必要は、基本的にはありません。ただし、独自に開発したプラグインなどが、この設定がオンであることを前提に作られている場合は、動きが変わる可能性があります。制作者の方は、テスト環境で確認しておきましょう(元の動きに戻すための設定方法も、開発者向けの記事で案内されています)。
PHPのバージョンは変わる?
2026年10月26日時点で、WordPress 7.2のベータ版の発表や開発者向けの情報の中で、PHPの必要バージョンが変わるという案内は確認できませんでした。
WordPress公式の「動作環境」のページでは、現在次のように案内されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 推奨のPHP | 8.3以上 |
| 推奨のデータベース | MySQL 8.0以上、またはMariaDB 10.11以上 |
| 古い環境 | PHP 7.4以上でも動作するが、サポートが終了したバージョンのため、セキュリティ上のリスクがある |
WordPress 7.2が古いPHPでも動くとしても、PHPそのものが古いと、サイトは危険な状態です。10月21日には、PHP本体に重大な脆弱性「PHP2Shell」が見つかっています。また、PHP 8.2の公式サポートは2026年12月31日で終了します。
WordPressを7.2に更新するタイミングで、PHPのバージョンもあわせて見直しておきましょう。PHP2Shellの内容と確認方法は「PHPの重大な脆弱性「PHP2Shell」とは?」、更新したあとにやるべきことは「PHP2Shellは「更新して終わり」ではない」で解説しています。
まずはWordPress 7.1.3になっているか確認を
7.2を待つ前に、今のWordPressが最新になっているかを確認しましょう。
10月6日に公開されたWordPress 7.1.3は、4件の不具合の修正と、7件のセキュリティの問題の修正を含むリリースです。修正には、ログインしていない人が非公開や下書きの投稿についたコメントを見られてしまう問題や、コメント管理画面で悪意のあるプログラムを埋め込まれるおそれのある問題(XSS)などが含まれています。
公式は、セキュリティの修正が含まれるため、すぐに更新するよう呼びかけています。自動更新が有効なサイトでは自動で更新されますが、管理画面の「ダッシュボード → 更新」で、実際に7.1.3以降になっているかを確認しておくと確実です。
UpdraftPlusを使っている方は要確認
バックアップ用のプラグインとして広く使われている「UpdraftPlus」では、10月に、開発元であるTeamUpdraftのWebサイトが不正アクセスを受けたと発表されました。
開発元の発表によると、顧客のデータベースが不正に見られたとみられ、その中には、複数のサイトをまとめて管理する機能「UpdraftCentral」の接続キーなどが含まれていました。攻撃者はこのキーを使って、接続されていたサイトに管理者アカウントを作ったり、不正なプラグインを入れたりしていたとされています。
なお、開発元は、UpdraftPlusのプラグイン本体や、そのダウンロードには影響はないとしています。
UpdraftCentral(クラウド版)でサイトをつないでいた方は、開発元の案内に沿って、次の対応をしてください。
- UpdraftCentral経由ではなく、そのサイトの管理画面に直接ログインする
- UpdraftPlusを1.26.13(無料版)/2.26.13(有料版)以降に更新する
- 「設定 → UpdraftPlus → 高度なツール → UpdraftCentral」で、接続キーを削除する
- 見覚えのない管理者アカウントや、見覚えのないプラグイン(「Must-Use」プラグインを含む)を削除する
- 管理者アカウントのパスワードをすべて変更する
- 怪しい点があれば、10月17日より前のバックアップから復元することを検討する
セキュリティ会社のPatchstackは、攻撃者が作ったアカウントが、ユーザー一覧では「編集者」として表示されることがあると報告しています。管理者だけでなく、見覚えのない編集者がいないかも確認しましょう。
teamupdraft.comのアカウントをお持ちでない無料版の利用者は、開発元によると特別な対応は不要ですが、プラグインは最新版に更新しておきましょう。
本番サイトを7.2に更新する前の手順
12月8日に正式版が出たら、次の手順で更新するのが安全です。
1. バックアップを取る
更新の前に、サイト全体(ファイルとデータベース)のバックアップを取ります。サーバー会社の自動バックアップがある場合も、何日分を保存しているのか、どうやって戻すのかを確認しておきましょう。バックアップは、本当に元に戻せるかまで確認しておくと安心です。
2. テーマ・プラグインの対応を確認する
使っているテーマやプラグインが、7.2に対応しているかを確認します。
- 各プラグインの配布ページや更新履歴で、7.2に対応したかどうかを確認する
- 長い間更新されていないプラグインは、7.2で問題が出やすいため、代わりのプラグインを検討する
- 使っていないプラグインやテーマは、削除して管理する対象を減らす
3. PHPのバージョンを確認する
管理画面の「ツール → サイトヘルス → 情報 → サーバー」で、PHPのバージョンを確認できます。PHP 8.2以前の場合は、年内にPHP 8.3以降へ移行する計画を立てましょう。WordPressとPHPを同時に上げると、問題が起きたときに原因が分かりにくくなるため、どちらかを先に済ませておくのがおすすめです。
4. ステージング(テスト環境)で確認する
本番とは別のテスト環境にサイトを複製し、そこで7.2に更新して、次の点を確認します。
- トップページや主要なページの表示が崩れていないか(パソコンとスマホの両方で)
- お問い合わせフォームなどが正しく送信できるか
- ギャラリーやスライダーなど、画像を並べている部分の見た目
- 管理画面で、記事の作成・編集・画像のアップロードができるか
多くのレンタルサーバーには、サイトを複製してテスト環境を作る機能があります。
5. 本番を更新する
テスト環境で問題がなければ、アクセスの少ない時間帯に本番を更新します。更新後は、テスト環境と同じ項目をもう一度確認しましょう。
自動更新の設定を確認しておく
WordPressには、本体やプラグインを自動で更新する機能があります。7.1.3のような小さな更新(マイナーリリース)には、セキュリティの修正が含まれることが多いため、自動更新を有効にしておくのがおすすめです。
一方、7.2のような大きな更新(メジャーリリース)も自動で更新される設定になっていると、12月8日以降、確認する前に本番サイトが7.2に切り替わることがあります。テスト環境で確認してから更新したい場合は、「ダッシュボード → 更新」で、メジャーリリースの自動更新の設定がどうなっているかを確認しておきましょう。
プラグインの自動更新は、「プラグイン → インストール済みプラグイン」の一覧から、プラグインごとに設定できます。保守会社に管理を任せている場合は、どの更新を誰がいつ行うのかを、あらかじめ確認しておくと安心です。
C-TechLabにできること
C-TechLabでは、WordPressサイトの運用保守やPHPのバージョンアップをお引き受けしています。
- WordPress 7.2への更新前の確認:テーマ・プラグインの対応状況を確認し、テスト環境で表示や動作をチェックしてから本番を更新します
- PHPバージョンアップ対応:PHP 8.2以前のサイトを、事前の確認とバックアップを行ったうえでPHP 8.3以降へ切り替えます
- セキュリティの確認:UpdraftPlusの接続キーや、見覚えのないユーザー・プラグインがないかなどを確認します
- 月額の運用保守:WordPress本体・プラグインの更新やバックアップを継続して行い、急なセキュリティの問題にもすばやく対応します
- 制作会社さまの保守のお手伝い:担当サイトが多く手が回らない場合の、確認作業や更新の代行もご相談ください
「年末で忙しく、更新の確認まで手が回らない」という段階でも大丈夫です。代表エンジニアが直接、状況を伺います。詳しくはホームページ運用保守のページもご覧ください。
よくある質問
WordPress 7.2はいつ公開されますか?
WordPress 7.2の正式版は2026年12月8日に公開予定です。ベータ1は2026年10月20日に公開されており、WordPress公式は日程に直前で調整が入る可能性があるとしています。
WordPress 7.2のベータ版を本番サイトに入れてもいいですか?
いいえ。WordPress公式は、ベータ版はテストと開発のためのものであり、本番のサイトや重要なサイトにはインストールしないよう明記しています。試す場合は、テスト用のサイトや、ブラウザだけでWordPressを試せるWordPress Playgroundを使います。
WordPress 7.2でPHPの必要バージョンは変わりますか?
2026年10月26日時点では、WordPress 7.2のベータ版の発表や開発者向けの情報の中で、PHPの必要バージョンが変わるという案内は確認できていません。ただし、WordPress公式の推奨はPHP 8.3以上で、PHP 8.2の公式サポートは2026年12月31日で終了するため、7.2への更新にあわせてPHPのバージョンも見直すのがおすすめです。
WordPress 7.2に更新するとサイトの表示が崩れますか?
普通にサイトを運営しているだけであれば、大きな影響はないと考えられます。ただし、WordPress 7.2ではギャラリーブロックのCSSの効き方や管理画面のアイコンの描き方が変わるため、独自にカスタマイズしたテーマや管理画面の見た目を変えるプラグインを使っている場合は、ステージング(テスト環境)で表示を確認してから本番を更新すると安心です。
WordPress 7.2を待つ前に、今やっておくべきことはありますか?
はい、まずWordPressが7.1.3以降になっているかを確認してください。2026年10月6日に公開されたWordPress 7.1.3には7件のセキュリティの問題の修正が含まれており、公式はすぐに更新するよう呼びかけています。バックアップ用プラグインのUpdraftPlusを使っている場合は、1.26.13(無料版)/2.26.13(有料版)以降への更新と、UpdraftCentralの接続キーの確認もあわせて行います。
参考情報
- WordPress.org「WordPress 7.2 Beta 1 is Ready for Download and Testing」(2026年10月20日)
- Make WordPress Core「WordPress 7.2 Release Party Schedule」(2026年10月6日)
- Make WordPress Core「NO_BACKSLASH_ESCAPES SQL mode is now turned off by default in WordPress 7.2」(2026年10月9日)
- WordPress Developer Blog「What’s new for developers? (October 2026)」
- WordPress.org「WordPress 7.1.3 Maintenance and Security Release」(2026年10月6日)
- WordPress.org「Requirements」
- TeamUpdraft「Security incident October 2026」
- Patchstack「Stolen UpdraftCentral Keys Are Backdooring WordPress Sites」(2026年10月19日)


