AI検索の時代に、小さな会社のホームページがやるべきこと:GoogleのAIによる概要・AIモードの変更をふまえて

この記事を約4分で解説
Googleで何かを検索すると、検索結果のいちばん上に、AIがまとめた回答が表示されることが増えました。これが「AIによる概要(AI Overviews)」です。さらに、AIと会話するように検索できる「AIモード」も広がっています。
2026年10月15日、Googleは公式ブログで、このAIによる概要とAIモードで、Webサイトへのリンクの見せ方を変えると発表しました。一方で、「AIによる概要が表示されると、サイトへのクリックが約4割減る」という研究結果も話題になっています。
「AIが答えてしまうなら、うちのホームページはもう見られないのでは?」と不安に感じている方もいるかもしれません。この記事では、小さな会社やお店のホームページ担当者に向けて、何が変わったのか、そして今やるべきことを整理します。
この記事は2026年10月26日時点の公開情報をもとに作成しています。Googleの検索の仕組みは頻繁に変わるため、最新情報は記事末尾の参考情報(Google公式のブログやドキュメント)もあわせてご確認ください。
まず結論:やること
- ホームページの営業時間・料金・所在地・連絡先を、正確で最新の状態にする
- Googleビジネスプロフィールの情報を、ホームページと食い違いのないようにそろえる
- 自社にしか書けない一次情報(事例・実績・写真・よくある質問)を増やす
- 表示速度やスマホでの見やすさなど、基本的な使いやすさを整える
- Google Search Consoleで、AI検索での表示回数と、問い合わせにつながっているかを定期的に確認する
特別な「AI対策」の裏ワザはありません。Google自身が「AI機能のために特別な対策は必要ない」と案内しています。基本を丁寧に整えることが、いちばんの近道です。
何が変わったのか:Googleの発表(2026年10月15日)
Googleは公式ブログ「The Keyword」で、AIによる概要とAIモードについて、次のような変更を発表しました。
| 変更点 | 内容 | 状況 |
|---|---|---|
| インラインリンクの増加 | AIの回答文の中の言葉に、サイトへのリンクを付ける。回答の上のほうに表示するテストも実施 | 継続して増やしている |
| 公式サイトの枠 | ある手続きなどについて「公式の場所が1〜2か所しかない」場合に、その公式サイトを回答の上部の専用枠で紹介する | テスト中 |
| ニュースのカルーセル | 新しいニュース記事を横に並べて表示する枠を、より多くの国・言語に広げる。利用者が選んだ「優先ソース」も目立たせる | 展開中 |
| 関連記事のリンク | 回答の最後に出る関連記事のリンクに画像を付け、クリックしやすくする | 発表済み |
| 制作者・発行者の名前 | AIモードの動画の結果で、制作者の名前から、その人のプロフィールに移動できるようにする | テスト中 |
ひとことで言えば、AIの回答の中から、Webサイトへ移動しやすくする方向の変更です。
なお、発表にはどの国・言語でいつから表示されるのかといった細かい条件は示されていません。日本の検索結果ですぐにすべてが見られるとは限らない点に注意してください。
「優先ソース」とは
「優先ソース(Preferred Sources)」は、検索する人が「このサイトの記事を優先して見たい」と登録できる機能です。登録されたサイトは、ニュースの枠(トップニュース)や、AIモード・AIによる概要で表示されやすくなります。Googleによると、この機能の利用は年初から7倍以上に増えたとのことです。
ただし、主にニュースや記事を定期的に発信するサイト向けの機能です。会社案内が中心の小さなホームページでは、今すぐ対応しなければならないものではありません。
「クリックが約4割減る」という研究
一方で、2026年に公開された研究(インディアン・スクール・オブ・ビジネスとカーネギーメロン大学の研究者による論文)が話題になっています。報道によると、内容は次のとおりです。
- アメリカのパソコン版Chromeの利用者1,065人を、「AIによる概要が表示される」グループと「表示されない」グループなどに分けて比較した
- AIによる概要が表示されると、検索結果からサイトへのクリックが約4割(39.8%)減った
- 一方で、検索した人の満足度には差が見られなかった
この研究は、アメリカのパソコン利用者に限った調査で、学術誌の審査を経る前の論文(ワーキングペーパー)として報じられています。そのまま日本の、すべての業種に当てはまるとは限りません。報道によると、クリックが減ったのは主に「〇〇とは」のような調べもの型の検索で、特定のお店を探すような検索では、はっきりした差は確認できなかったとされています。
それでも、「ちょっとした疑問に答えるだけの記事」は、AIの回答で済まされてしまいやすくなっているのは確かでしょう。
Googleが「役に立つコンテンツ」の考え方を更新
Googleは、どんなページを評価するかを説明した公式ドキュメント「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成(Creating helpful content)」を更新しています(最終更新日は2026年10月5日)。現在のドキュメントでは、次のような点が詳しく書かれています。
- 労力:独自の分析など、人の手間がかかっているか。AIで大量に作っただけの文章は、手間がほとんどかかっていないと見なされる
- 独自性:他のサイトに書かれていない情報や視点があるか。他の情報をまとめ直しただけでは価値が低い
- 正確さ:内容が事実として正しいか。お金や健康、安全に関わる話題は特に正確さが求められる
- 作り方の説明:AIや自動化を大きく使った場合は、どのように作ったのかを説明する
- 書き手の情報:誰が書いたのかが分かること。架空の人物や、うその経歴は低品質のサインになる
つまり、AIでそれらしい文章を大量に作るより、自社の経験にもとづいた、正確な情報を載せることが大切だということです。
10月下旬〜11月中旬にアップデートがあるという予測も
海外のSEO専門メディアSearch Engine Journalでは、独自の予測モデルをもとに、10月下旬から11月中旬ごろに、Googleの大きなアップデートが行われる可能性が高いとする記事が出ています。AIで大量に作った内容の薄いページや、架空の書き手などを対象にしたものになるのでは、という見方です。
ただし、これはあくまで専門家による予測で、Googleが発表したものではありません。アップデートがあってもなくても、上で紹介したGoogleの考え方に沿ってページを整えておけば、慌てる必要はありません。
「うちのホームページ、AI検索の時代に合っているのか分からない」という方へ
C-TechLabでは、営業時間や料金などの基本情報の見直しから、構造化データの設定、Search Consoleの確認まで、小さな会社・お店のホームページの点検をお手伝いしています。初回のご相談は無料です。
小さな会社のホームページがやるべきこと
1. 公式情報を正確に、最新の状態で載せる
今回の発表にある「公式サイトの枠」は、「公式の情報はここにしかない」という場面で、公式サイトを紹介するためのものです。まだテスト段階ですが、Googleが公式の情報源を重視していることがうかがえます。
AIが回答を作るとき、もとになるのはWeb上の情報です。ホームページの情報が古かったり、ページごとに違っていたりすると、間違った営業時間や料金が回答に使われてしまうおそれもあります。まずは次の項目を確認しましょう。
- 営業時間・定休日(年末年始やお盆などの臨時休業も)
- 料金・価格(「〇円〜」など目安でも、書いてあるほうが親切です)
- 所在地・アクセス(地図、最寄り駅、駐車場の有無)
- 電話番号・問い合わせ方法
- 対応エリア・サービス内容
大切なのは、画像の中だけに書かず、文字(テキスト)で載せることです。チラシの画像を貼っただけのページは、人には読めても、Googleには内容が伝わりにくくなります。
2. Googleビジネスプロフィールをそろえる
Googleビジネスプロフィールは、Googleマップや検索結果に、お店や会社の情報を無料で表示できるサービスです。Googleは、AI機能に関する案内の中で、ビジネスプロフィールの情報を最新に保つことを挙げています。
ホームページとビジネスプロフィールで、営業時間や電話番号が食い違っていないかを確認しましょう。どちらか一方だけ変更して、もう一方が古いまま、というのはよくあるケースです。
3. 構造化データで、情報を機械にも伝える
構造化データとは、「これは店名」「これは住所」「これは営業時間」といった情報を、Googleが読み取りやすい形でページに書き込んでおく仕組みです。お店や会社の場合は「LocalBusiness(ローカルビジネス)」という形式が用意されています。
ただし、GoogleはAI機能のために特別な構造化データは必要ないとしています。また、構造化データの内容は、ページに表示されている内容と一致している必要があります。「入れれば上位に表示される」というものではなく、正しい情報を正しく伝えるための補助と考えてください。
4. 自社にしか書けない「一次情報」を増やす
AIでも答えられる一般的な説明は、AIの回答で済まされやすくなっています。逆に言えば、自社にしか書けない情報は、これからますます価値が高くなります。
- 実際の事例・実績(お客様の悩み、提案した内容、結果)
- 自社で撮った写真(店内、スタッフ、作業の様子、商品)
- 具体的な数字(施工件数、対応年数など、事実にもとづくもの)
- スタッフや代表の考え・経験
- 地域ならではの情報
あわせて、「誰が書いたのか」が分かるようにしておくと、Googleの考え方にも沿います。
5. よくある質問(FAQ)を充実させる
お客様から実際によく聞かれる質問と、その答えをページにまとめておきましょう。「駐車場はありますか?」「見積もりは無料ですか?」「土日も対応していますか?」といった質問は、AIで検索する人が知りたいことでもあります。
ポイントは、実際にお客様から聞かれた質問を、具体的な言葉で答えることです。どこかで見たような一般的な質問を並べるだけでは、あまり意味がありません。
6. 表示速度とスマホでの見やすさを整える
Googleは、AI機能に関する案内の中でも、使いやすいページであることを挙げています。特に小さなお店のホームページは、スマホで見られることがほとんどです。
- スマホで開いて、すぐに表示されるか(重い画像を使っていないか)
- 文字が小さすぎず、ボタンが押しやすいか
- 電話番号をタップすると、そのまま電話がかけられるか
7. 「llms.txt」などの話題は、慌てて対応しなくてよい
最近、「AIのために llms.txt というファイルを置くべき」といった話を聞くことがあります。しかし、Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されるために、新しい専用ファイルや特別な記述は必要ないと案内しています。
「これをやればAIに選ばれる」という情報には、根拠がはっきりしないものも少なくありません。まずは上に挙げた基本を整えることを優先しましょう。
Search Consoleで見るべきところ
Google Search Consoleは、自分のサイトがGoogle検索でどのように表示されているかを確認できる、Googleの無料ツールです。AI検索の時代でも、まずはここを見る習慣をつけましょう。
| 見る場所 | 分かること |
|---|---|
| 検索パフォーマンス(ウェブ) | 検索結果での表示回数・クリック数。AIによる概要やAIモードからのアクセスも、ここに含まれます |
| 生成AI機能のレポート | AIによる概要・AIモードで、自分のサイトのリンクが表示された回数(表示回数) |
| ページのインデックス登録 | ページがGoogleに登録されているか。登録されていないページはAIの回答にも使われません |
生成AI機能のレポートは、2026年8月31日までに、すべてのサイトで使えるようになったと案内されています。ただし、AIでの表示が少ないサイトでは、レポートが表示されないことがあります。また、このレポートで分かるのは表示回数で、AI経由のクリック数だけを取り出して見ることはできません。
そのため、Googleアナリティクスなどで、問い合わせや予約がどれだけあったかもあわせて確認しましょう。Googleは「AIによる概要からのクリックは質が高い傾向がある」と説明しています。アクセス数が多少減っても、問い合わせが減っていなければ、大きな問題ではないこともあります。数字の増減だけで一喜一憂せず、「問い合わせにつながっているか」を見ることが大切です。
C-TechLabにできること
C-TechLabでは、小さな会社・お店のホームページの制作から、公開後の見直しまでお手伝いしています。
- 基本情報の点検:営業時間・料金・所在地などが正しく、文字で載っているかを確認し、修正します
- Googleビジネスプロフィールとの整合チェック:ホームページとの食い違いを洗い出します
- 構造化データの設定:ページの内容にあわせて、LocalBusinessなどの構造化データを設定します
- 事例・FAQページの企画と制作:お客様への聞き取りをもとに、自社ならではの情報を形にします
- 表示速度の改善:画像の軽量化など、スマホでの表示を速くします
- Search Consoleの設定と見方のサポート:見るべき数字をいっしょに確認します
ホームページのリニューアルや新規制作については、ホームページ制作のページもご覧ください。「AI検索と言われても、何から手をつければいいか分からない」という段階でも大丈夫です。代表エンジニアが直接、状況を伺います。
よくある質問
AIによる概要(AI Overviews)に表示されるために、特別な対策は必要ですか?
いいえ、特別な対策は必要ありません。Google自身が、AIによる概要やAIモードに表示されるために新しい専用ファイルや特別な記述は必要ないと案内しており、正確な公式情報や自社ならではの一次情報など、基本を丁寧に整えることがいちばんの近道です。
AIによる概要が表示されると、ホームページへのクリックは減りますか?
減る場合があります。報道によると、アメリカのパソコン版Chromeの利用者1,065人を対象にした研究では、AIによる概要が表示されると検索結果からサイトへのクリックが約4割(39.8%)減りましたが、減ったのは主に「〇〇とは」のような調べもの型の検索で、特定のお店を探す検索でははっきりした差は確認できなかったとされています。この研究は学術誌の審査を経る前の論文として報じられており、日本のすべての業種に当てはまるとは限りません。
llms.txtは設置したほうがよいですか?
慌てて対応する必要はありません。Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されるために新しい専用ファイルや特別な記述は必要ないと案内しているため、まずは営業時間・料金・所在地などの公式情報を正確に載せるといった基本を優先しましょう。
AI検索での表示回数は、どこで確認できますか?
Google Search Consoleの生成AI機能のレポートで確認できます。このレポートは2026年8月31日までにすべてのサイトで使えるようになったと案内されていますが、分かるのはAIによる概要・AIモードでリンクが表示された回数で、AI経由のクリック数だけを取り出すことはできないため、Googleアナリティクスなどで問い合わせや予約の数もあわせて確認します。
AI検索の時代に、小さな会社のホームページは何を優先すべきですか?
営業時間・料金・所在地・連絡先を正確で最新の状態にし、画像の中だけでなく文字で載せることが最優先です。あわせて、Googleビジネスプロフィールの情報をホームページと食い違いのないようにそろえ、事例や自社で撮った写真、よくある質問など自社にしか書けない一次情報を増やします。
参考情報
- Google The Keyword「More ways to connect with the web from Search」(2026年10月15日)
- Google検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」
- Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」
- Google検索セントラル「優先ソース(Preferred Sources)」
- Google検索セントラル「ローカルビジネス(LocalBusiness)の構造化データ」
- Search Consoleヘルプ「生成AI機能のパフォーマンスレポート」
- PPC Land「AI Overviews cut publisher clicks 39.8% in first randomized study」(研究の紹介記事)
- Search Engine Journal「A Panda-Style Update Within A Month, According To Prediction Model Signals」(2026年10月15日、予測記事)
- アレグロマーケティング「GoogleのAIモードとAI Overviewsのリンク表示更新(2026年10月)」


