行政書士事務所のホームページ制作ガイド:依頼につながる構成と、職務基本規則で気をつけたい広告のルール

行政書士事務所のホームページ制作ガイド:依頼につながる構成と、職務基本規則で気をつけたい広告のルール

この記事を約3分で解説

音声:VOICEVOX:ずんだもん

行政書士の仕事は、建設業許可、在留資格(ビザ)、相続・遺言、補助金、自動車の登録、飲食店や産業廃棄物の許可など、とても幅広い分野にわたります。依頼する側から見ると、「どの行政書士に頼めばいいのか分からない」というのが正直なところです。

そのため、行政書士事務所のホームページは、「この事務所なら自分の困りごとを任せられそう」と判断してもらう場所として大きな役割を持ちます。一方で、行政書士には職務基本規則による広告のルールや守秘義務があり、一般の会社やお店と同じ感覚で作ると、思わぬ問題になることもあります。

この記事では、これから開業する方や、ホームページを見直したい行政書士の方に向けて、依頼につながる構成と、行政書士ならではの注意点をまとめます。

この記事は2026年10月28日時点の情報をもとにしています。行政書士職務基本規則は改正されることがあるため、最新の内容は日本行政書士会連合会や所属する行政書士会の案内もあわせてご確認ください。

まず結論:行政書士のホームページで大切なこと

  1. 「何の専門家か」をひと目で分かるようにする(取扱業務を広げすぎない)
  2. 業務ごとに専用のページを作る(建設業許可、ビザ、相続など)
  3. 料金の目安を載せる(職務基本規則でも、インターネットでの報酬額の公表が努力義務とされています)
  4. 行政書士本人の顔と経歴を見せる
  5. 広告のルールを守る(「許可率100%」「業界最安」などの誇大な表現や、事実と違う内容は書かない)
  6. 事例紹介は、依頼者が特定されないようにする(守秘義務)

「開業に合わせてホームページを作りたい」「今のサイトから依頼が来ない」という方へ
C-TechLabでは、行政書士事務所をはじめとする士業のホームページ制作を、月額プランでお引き受けしています。初回のご相談は無料です。

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なぜ行政書士にホームページが必要なのか

依頼する人は「検索」して比べている

行政書士に依頼する人の多くは、「建設業許可 ○○市」「配偶者ビザ 行政書士」「相続 手続き 代行」のように、困りごとと地域名で検索して事務所を探します。知り合いの紹介で依頼する場合でも、紹介された事務所のホームページを見て、どんな人なのか、料金はどのくらいかを確かめるのが一般的です。

ホームページがない、または情報が古いままだと、それだけで候補から外れてしまうことがあります。

「街の法律家」としての信頼を伝える場所

行政書士への依頼は、許認可や在留資格、相続など、依頼者の生活や事業にとって大切な手続きです。依頼者は「この人に任せて大丈夫か」を慎重に見ています。

チラシや名刺では伝えきれない、行政書士本人の人柄、専門分野、仕事の進め方、料金の考え方を伝えられるのがホームページの強みです。

2026年1月の行政書士法改正で、依頼先を探す人が増える可能性も

2026年1月1日に施行された改正行政書士法では、行政書士でない人が「いかなる名目によるかを問わず」報酬を得て、官公署に提出する書類の作成を業として行うことが禁止されることが明確になりました。コンサルティング料などの別の名目で書類作成の対価を受け取る場合も、対象になりうるということです。

これにより、補助金の申請や各種の許認可などで、正式に行政書士へ依頼しようと考える事業者が増えるとの見方もあります。依頼先を探す人に見つけてもらえるよう、ホームページを整えておく良いタイミングと言えます。

依頼につながるホームページの構成

1. トップページで「何の専門家か」を伝える

行政書士が扱える業務は非常に多くの種類がありますが、ホームページで「何でもやります」と書くと、かえって依頼されにくくなります。依頼者は「自分の手続きに詳しい人」に頼みたいからです。

トップページでは、主力の業務を2〜3つに絞って打ち出しましょう。

  • 「建設業許可・経営事項審査の専門事務所」
  • 「国際結婚・就労ビザの在留資格申請サポート」
  • 「相続手続き・遺言書作成のご相談」

など、誰のどんな困りごとを解決する事務所なのかが、ひと目で分かるようにします。

2. 業務ごとに専用のページを作る

取扱業務は、1つの業務につき1ページを作るのがおすすめです。検索している人は「建設業許可」のように具体的な言葉で探しているため、業務ごとのページがあると、検索結果に表示されやすくなります。

各業務のページには、次のような内容をまとめます。

  • こんな方に(対象となる人・状況)
  • 手続きの流れと、かかる期間の目安
  • 必要な書類と、依頼者に用意してもらうもの
  • 料金の目安(報酬と、印紙代・手数料などの実費を分けて記載)
  • よくある質問
  • お問い合わせへの導線

3. 行政書士本人の「顔」を見せる

士業のホームページでは、代表者の顔写真とプロフィールがとても重要です。次のような内容を載せましょう。

  • 顔写真(親しみやすく、清潔感のあるもの)
  • 経歴や、行政書士になったきっかけ
  • 得意分野と、その分野に関わってきた経験
  • 所属する行政書士会、登録番号
  • 申請取次行政書士や特定行政書士など、業務に関係する資格や届出

「どんな人が対応してくれるのか」が分かると、問い合わせのハードルが大きく下がります。

4. 料金の目安を載せる

依頼者がいちばん気にするのが料金です。料金が書いていないと、問い合わせる前に離れてしまうことが少なくありません。

行政書士職務基本規則(日本行政書士会連合会)でも、報酬額表を事務所に掲示することに加えて、インターネットを利用した方法などで公表するよう努めることとされています(第24条)。

料金を載せるときは、次の点に気をつけましょう。

  • 報酬と実費を分けて書く(申請手数料、登録免許税、証紙代などは別途かかることを明記)
  • 「〜円から」の場合は、何によって金額が変わるのかを書く(案件の難しさ、書類の量、急ぎの対応など)
  • 税込か税抜かをはっきりさせる

5. 問い合わせしやすくする

  • 問い合わせフォーム:相談内容の種類を選べるようにすると、やり取りがスムーズになります
  • 電話番号:スマホで押すと電話がかけられるようにします
  • 初回相談の案内:初回相談が無料か有料か、対面・オンラインのどちらに対応しているかを書きます
  • 対応エリア:事務所の所在地と、出張やオンラインで対応できる範囲を書きます

外国籍の方からの依頼が多い事務所は、英語など外国語のページを用意すると、問い合わせにつながりやすくなります。

行政書士ならではの注意点:広告のルール

ここが、一般の会社やお店のホームページとの大きな違いです。

行政書士職務基本規則の「広告宣伝」の規定

日本行政書士会連合会の「行政書士職務基本規則」第17条では、ホームページやSNSによるものを含めて、次のような広告宣伝を禁止しています。

  1. 不当な目的を意図し、または品位を損なうおそれのある広告宣伝
  2. 事実に合致しない内容の広告宣伝
  3. 誤認または誤導のおそれのある内容の広告宣伝
  4. 誇大な広告宣伝

具体的には、次のような表現は避けた方が安全です。

避けたい表現の例理由・言い換えの例
「許可取得率100%」「絶対に許可が取れます」許可は行政庁が判断するもの。結果を約束するような表現は誤認を招くおそれがあります。「許可取得に向けて、要件の確認から丁寧にサポートします」など
「業界最安値」「地域No.1」客観的な根拠を示せない最上級の表現は、誇大広告と受け取られるおそれがあります
実際より多い実績件数事実に合致しない広告は禁止されています。実績は、確認できる事実の範囲で書きます
他の事務所を批判する内容他の行政書士を誹謗中傷することも禁止されています(第20条)。自分の事務所の強みを伝える表現にします

また、所属する都道府県の行政書士会が、独自に広告についての指針を定めていることもあります。ホームページを公開する前に、所属する会の案内も確認しておきましょう。

業際に注意する

行政書士の業務の範囲を超える内容を、できるかのように書かないことも大切です。たとえば、次のような業務は、他の士業の専門分野です。

  • 紛争になっている案件の交渉や、裁判の代理(弁護士)
  • 不動産や会社の登記(司法書士)
  • 税務申告(税理士)
  • 社会保険・労働保険の手続き(社会保険労務士)

「相続のことなら何でもお任せください」と書くと、登記や相続税の申告まで請け負うように読めてしまいます。他の士業と連携している場合は「提携する司法書士・税理士をご紹介します」のように、役割分担が分かる書き方にしましょう。

事例紹介・お客様の声は守秘義務に配慮する

行政書士には、業務上知り得た秘密を漏らしてはならない守秘義務があります(行政書士法第12条)。解決事例やお客様の声を載せるときは、次の点に気をつけます。

  • 依頼者本人の同意を得る
  • 氏名、会社名、地域、国籍、日付などから依頼者が特定されないようにする
  • 内容を誇張したり、作り話を載せたりしない(事実に合致しない広告になります)

紹介料や集客サービスの利用にも注意

職務基本規則では、金品の提供などの不当な行為で依頼を誘致することや、紹介を受けた対価を依頼者の報酬に上乗せすることも禁止されています(第15条)。紹介サイトや集客サービスを使う場合は、仕組みに問題がないか確認しておきましょう。

信頼と安全のために押さえておきたいこと

  • 常時SSL(https)にする:問い合わせフォームで個人情報を受け取るため必須です。ブラウザに「保護されていない通信」と表示されると、それだけで信頼を失います(詳しくは「ChromeがHTTPサイトの表示前に警告するように」をご覧ください)
  • プライバシーポリシーを載せる:問い合わせで受け取った個人情報の扱いを明記します
  • 情報を最新に保つ:法改正や手数料の変更があったときに、古い情報が残っていると信頼を損ないます。自分で更新できる仕組みにしておくと安心です
  • セキュリティ対策を続ける:WordPressなどで作る場合は、本体やプラグイン、サーバーのPHPの更新を続ける必要があります(参考:「WordPressはセキュリティ的に危険?」)。更新の手間を減らしたい場合は、静的サイトで作る方法もあります

Googleビジネスプロフィールもあわせて整える

「行政書士 ○○市」のように地域名で検索されたとき、Googleマップに事務所が表示されると、見つけてもらえる機会が増えます。Googleビジネスプロフィールに、事務所の住所、営業時間、電話番号、取扱業務を登録し、ホームページのURLを載せておきましょう。無料で始められます。

また最近は、GoogleのAIによる検索結果など、AIが情報をまとめて答える場面も増えています。業務ごとのページに、手続きの流れや料金、よくある質問を分かりやすく書いておくことは、AI検索への対策にもなります(参考:「AI検索の時代に、小さな会社のホームページがやるべきこと」)。

公開前のチェックリスト

  • 主力の業務と、誰のための事務所かが、トップページでひと目で分かるか
  • 業務ごとに専用のページがあるか
  • 代表者の顔写真、経歴、所属する行政書士会、登録番号を載せているか
  • 料金の目安を、報酬と実費を分けて載せているか
  • 「100%」「絶対」「最安」「No.1」など、誇大・断定的な表現がないか
  • 実績の件数や事例は、事実に合致しているか
  • 他の士業の業務を、自分ができるかのように書いていないか
  • 事例紹介やお客様の声は、依頼者の同意を得て、特定されないようにしているか
  • 常時SSL(https)になっていて、プライバシーポリシーがあるか
  • スマホで見やすく、電話や問い合わせフォームにすぐたどり着けるか

C-TechLabにできること

C-TechLabでは、行政書士事務所をはじめとする士業のホームページ制作を、月額9,800円(税込10,780円)のプランでお引き受けしています。

  • 業務ごとのページ設計:主力業務を軸に、検索で見つけてもらいやすい構成をご提案します
  • 広告のルールに配慮した原稿づくり:誇大・断定的な表現になっていないかを一緒に確認しながら、事務所の強みが伝わる文章を作ります
  • 料金表や問い合わせフォームの整備:報酬と実費を分けた料金表や、相談内容を選べるフォームを作ります
  • セキュリティに配慮した構成:常時SSLはもちろん、更新の手間が少ない静的サイトや、安全対策をしたWordPressなど、運用に合った方法をご提案します
  • 公開後の更新・保守:法改正や料金の変更にあわせた更新も、継続してお手伝いします

「開業準備中で、何を載せればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。代表エンジニアが直接、状況を伺います。詳しくはホームページ制作のページもご覧ください。

よくある質問

行政書士にホームページは必要ですか?

必須ではありませんが、ほとんどの事務所にとってあった方がよいです。行政書士に依頼する人の多くは、困りごとと地域名で検索して事務所を探したり、紹介された事務所のホームページで人柄や料金を確かめたりします。ホームページがない、または情報が古いと、それだけで候補から外れてしまうことがあります。

行政書士のホームページに料金は載せるべきですか?

載せることをおすすめします。日本行政書士会連合会の行政書士職務基本規則(第24条)では、報酬額表を事務所に掲示することに加えて、インターネットを利用した方法などで公表するよう努めることとされています。載せるときは、報酬と申請手数料などの実費を分けて書き、金額が変わる条件や、税込・税抜を明記しましょう。

行政書士のホームページで使ってはいけない表現はありますか?

行政書士職務基本規則(第17条)では、ホームページやSNSを含めて、品位を損なうおそれのある広告、事実に合致しない広告、誤認・誤導のおそれのある広告、誇大な広告が禁止されています。「許可取得率100%」「絶対に許可が取れる」「業界最安値」など、結果を約束したり、根拠のない最上級を使ったりする表現は避けましょう。所属する行政書士会の指針もあわせて確認してください。

解決事例やお客様の声を載せてもいいですか?

載せることはできますが、行政書士には守秘義務(行政書士法第12条)があるため、依頼者本人の同意を得たうえで、氏名や会社名、地域、日付などから依頼者が特定されないように配慮する必要があります。内容を誇張したり、事実と違う内容を載せたりすることも避けてください。

取扱業務はたくさん載せた方がいいですか?

「何でもやります」と幅広く載せるよりも、主力の業務を2〜3つに絞って打ち出し、業務ごとに専用のページを作る方が、依頼につながりやすくなります。依頼者は自分の手続きに詳しい専門家に頼みたいと考えるためです。また、登記や税務申告など、他の士業の業務をできるかのように書かないよう注意しましょう。

参考情報

  • 日本行政書士会連合会「行政書士職務基本規則」(令和8年7月15日施行の改正版。第15条・第17条・第20条・第24条など)
  • 総務省「行政書士制度」(令和7年法律第65号による行政書士法の改正)
  • 東京都行政書士会「行政書士法」(第12条 秘密を守る義務)