飲食店の開業でまずやること一覧:届出・資格・資金から、オープン前に始めたい集客の準備まで

この記事を約3分で解説
「自分のお店を持ちたい」と思ったとき、料理やお店の雰囲気づくりと同じくらい大切なのが、開業までの準備と手続きです。飲食店の開業には、保健所の営業許可をはじめ、いくつもの届出や資格が必要です。さらに、オープンしてすぐにお客様に来てもらうためには、開店前からの集客の準備も欠かせません。
この記事では、飲食店の開業でまずやることを、次の4つに分けて整理します。
- お店の土台づくり(コンセプト・資金・物件)
- 必要な資格と届出
- お金まわりの準備
- オープン前の集客の準備
順番は、お店の形態や地域によって前後します。全体を見渡して、抜けや漏れがないかの確認にお使いください。
この記事は2026年10月時点の一般的な情報をもとにしています。届出の期限や必要書類は、自治体や管轄の保健所・消防署などによって異なる場合があります。必ず管轄の窓口でご確認ください。
まず結論:飲食店の開業でやることチェックリスト
| 分類 | やること |
|---|---|
| 土台づくり | コンセプト・ターゲットを決める/事業計画を作る/資金を準備する/物件を探す |
| 資格 | 食品衛生責任者を置く/収容人員によっては防火管理者を選任する |
| 届出 | 保健所の営業許可/消防署への届出/税務署への開業届/(深夜にお酒を出すなら)警察署への届出 |
| お金まわり | 事業用の口座・会計ソフト・キャッシュレス決済を準備する |
| 集客 | Googleビジネスプロフィール/SNS/ホームページ/予約の受付方法を準備する |
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1. お店の土台づくり
コンセプトとターゲットを決める
最初に決めたいのが、「誰に、どんな料理を、どんな雰囲気で、いくらで提供するか」というコンセプトです。コンセプトが決まると、物件の立地、内装、メニュー、価格、集客の方法まで、あとの判断がぶれにくくなります。
- 主なお客様は誰か(近くの会社員、家族連れ、観光客、地元の常連さんなど)
- 料理のジャンルと、看板メニュー
- 客単価と、席数・回転数の目安
- ランチ・ディナー・テイクアウトなど、どの時間帯や形で売るか
事業計画を作り、資金を準備する
物件の取得費、内装・設備の工事費、厨房機器、食器、最初の仕入れ、そしてオープン後しばらくの運転資金まで含めて、必要なお金を計算します。オープン直後は売上が安定しないことも多いため、運転資金には余裕を持っておきましょう。
自己資金で足りない場合は、日本政策金融公庫の創業向けの融資や、自治体の制度融資などを検討します。融資の申し込みには事業計画書が必要になるため、コンセプトと数字を具体的にまとめておくことが大切です。
物件を探す:契約の前に保健所へ相談を
物件選びでは、立地や家賃だけでなく、飲食店として営業許可が取れる設備にできるかを確認する必要があります。手洗い設備やシンクの数、厨房の区画など、保健所の施設基準を満たさないと許可が下りません。
また、ガスや電気の容量、排気・排水の設備、建物の用途によっては、思わぬ工事費がかかることもあります。物件の契約や内装工事の前に、図面を持って管轄の保健所へ事前相談に行くのが安全です。居抜き物件の場合も、前のお店の設備がそのまま使えるとは限りません。
2. 必要な資格と届出
食品衛生責任者(すべての飲食店で必要)
飲食店の営業許可を受けるには、施設ごとに食品衛生責任者を1人置く必要があります。調理師や栄養士などの資格を持っていない場合は、各都道府県の食品衛生協会などが行う養成講習会を受講して資格を取ります。講習会は日程が埋まっていることもあるため、早めに申し込みましょう。
保健所:飲食店営業許可
飲食店を営業するには、管轄の保健所で飲食店営業許可を受ける必要があります。一般的な流れは次のとおりです。
- 内装工事の前に、図面を持って事前相談
- 工事が終わる前に、営業許可を申請
- 保健所の担当者による施設の確認(立ち会い)
- 基準を満たしていれば許可(営業許可証の交付)
許可が下りるまでは営業できません。オープン日から逆算して、余裕をもって申請しましょう。また、飲食店では、HACCP(ハサップ)の考え方を取り入れた衛生管理が求められています。衛生管理の計画と記録の方法も、開業前に決めておきます。
消防署:防火管理者と、使用開始の届出
建物全体の収容人員が30人以上になる場合は、防火管理者を選任して消防署に届け出る必要があります。防火管理者になるには、講習を受けて資格を取ります。テナントとして入居する場合は、建物全体の収容人員で判断されるため、自分のお店が小さくても対象になることがあります。
また、店舗を新しく使い始めるときには、防火対象物使用開始届などの届出が必要です。多くの自治体では、火災予防条例で使用を開始する日の7日前までと定めています。内装工事の内容によっては、ほかの届出が必要になる場合もあるため、管轄の消防署に確認しましょう。
警察署:深夜にお酒を提供する場合
深夜0時から午前6時までの間に、主にお酒を提供する営業(バーや居酒屋など)を行う場合は、深夜酒類提供飲食店営業開始届出書を、営業を始める日の10日前までに管轄の警察署へ提出します。地域によっては、この営業ができない場所もあるため、物件を決める前に確認が必要です。
税務署・都道府県:開業の届出
個人で開業する場合は、事業を始めた日から1か月以内に、税務署へ「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」を提出します。あわせて、税金の面で有利な青色申告をしたい場合は、「所得税の青色申告承認申請書」を、原則として事業開始日から2か月以内に提出します。
このほか、都道府県や市区町村への事業開始の届出が必要な場合もあります。法人で開業する場合は、会社の設立登記や法人の届出が必要です。
人を雇う場合:労働保険・社会保険
アルバイトやパートを含めて従業員を雇う場合は、労働基準監督署への労働保険(労災保険)の手続きや、条件によってはハローワークへの雇用保険の手続きが必要です。働く時間や人数によっては、社会保険の手続きも必要になります。
3. お金まわりの準備
- 事業用の銀行口座:個人の口座と分けておくと、お金の管理や確定申告が楽になります
- 会計ソフト:日々の売上や経費を記録する方法を、開業前に決めておきます
- レジ・キャッシュレス決済:クレジットカード、電子マネー、QRコード決済に対応するかを決め、端末やサービスの審査に必要な期間も考えて申し込みます
- インボイス制度:取引先に法人のお客様が多い場合(接待や会議での利用、ケータリングなど)は、適格請求書発行事業者の登録をするかどうかも検討しましょう
4. オープン前に始めたい集客の準備
手続きや工事に追われていると、つい後回しになりがちなのが集客の準備です。しかし、お客様は来店する前に、スマホでお店の情報を調べています。オープンしたことを知ってもらい、安心して来てもらうために、開店前から次の準備を進めましょう。
Googleビジネスプロフィールを登録する
「近くのランチ」「○○駅 居酒屋」のように検索したときに、Googleマップにお店が表示されるようにします。お店の名前、住所、営業時間、定休日、メニュー、写真を正しく登録しましょう。無料で始められます。
SNSアカウントを作る
Instagramなどで、内装工事の様子、メニューの試作、オープン日の告知などを発信すると、開店前からお店を知ってもらうことができます。プロフィール欄には、オープン日、場所、営業時間をまとめておきます。
ホームページを作る
意外と見落とされがちなのが、お店のホームページです。調査では、Instagramでお店を知った人が来店前に営業時間や場所を確認する「最後の確認先」として、お店の公式サイトがいちばん多く選ばれていたという結果もあります(詳しくは「飲食店にホームページは必要?」をご覧ください)。
開業のタイミングでホームページを用意しておくと、次のようなメリットがあります。
- オープン日や場所、営業時間、メニュー、価格を、正しくまとめて伝えられる(SNSの投稿は流れていくため、基本情報が見つけにくくなりがちです)
- 予約の受付や、宴会・貸切・テイクアウトの案内を詳しく載せられる
- スタッフの募集に使える:開業時は人手を集める必要があります。お店のホームページに求人ページがあると、仕事内容やお店の雰囲気を伝えやすくなります
- お店のこだわりを伝えられる:食材や料理への想い、店主のプロフィールなど、SNSでは伝えきれないことを載せられます
- プレスリリースや取材の受け皿になる:地域の情報サイトやメディアに紹介されたとき、詳しい情報を見てもらう先になります
ホームページは、オープンしてから作ろうとすると、日々の営業に追われてなかなか手が回りません。開店準備と並行して作り始め、オープン日に合わせて公開するのがおすすめです。最初は、基本情報がそろった1ページのサイトからでも十分です。
予約の受付方法を決める
電話のみにするのか、ネット予約を使うのか、予約サイトに掲載するのかを決めます。ネット予約を受け付ける場合は、ホームページやGoogleビジネスプロフィール、Instagramから予約できるようにつなげておきましょう。
オープン告知とプレオープン
オープンの日が決まったら、近隣へのチラシ、SNSでの告知、知人を招いたプレオープンなどを行います。プレオープンは、料理の提供時間やオペレーションの確認にも役立ちます。チラシやショップカードには、ホームページやInstagramのQRコードを載せておくと、あとから情報を確かめてもらいやすくなります。
オープン後も続けたいこと
- 情報を最新に保つ:営業時間やメニュー、価格を変えたときは、Googleビジネスプロフィール、SNS、ホームページを同時に更新します。古い情報のままだと、「行ったのに閉まっていた」という悪い口コミにつながります
- 口コミに返信する:Googleマップの口コミには、良いものにも悪いものにも丁寧に返信しましょう
- 数字を振り返る:売上や客数、原価率を毎月確認し、メニューや営業時間の見直しに役立てます
C-TechLabにできること
C-TechLabでは、飲食店のホームページ制作を、月額9,800円(税込10,780円)のプランでお引き受けしています。開業準備の段階からご相談いただけます。
- オープンに間に合わせる制作:オープン日から逆算してスケジュールを組み、開店に合わせて公開します
- スマホで見やすいホームページ:営業時間、メニュー、アクセス、予約方法など、お客様が来店前に知りたい情報を見つけやすくまとめます
- 求人ページや予約への導線:スタッフ募集のページや、ネット予約・電話予約へのボタンも設置できます
- Googleマップ・Instagramとの連携:Googleビジネスプロフィールやインスタとのつなぎ方もご相談に乗ります
- 更新しやすい仕組みと公開後の保守:営業時間やメニューの変更を簡単に反映でき、セキュリティ対策も続けて行います
「まだ写真がそろっていない」「何を載せればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。代表エンジニアが直接、お店の状況を伺います。詳しくはホームページ制作のページもご覧ください。
よくある質問
飲食店を開業するとき、まず何から始めればいいですか?
まずは、誰にどんな料理をどんな価格で提供するかというコンセプトを決め、事業計画と資金の準備を進めます。そのうえで物件を探し、契約や内装工事の前に、図面を持って管轄の保健所へ事前相談に行くのが安全です。施設基準を満たさないと営業許可が下りず、工事のやり直しになることがあるためです。
飲食店の開業に必要な資格は何ですか?
すべての飲食店で、施設ごとに食品衛生責任者を1人置く必要があります。調理師などの資格がない場合は、養成講習会を受講して取得します。また、建物全体の収容人員が30人以上になる場合は、防火管理者の選任も必要です。
飲食店の開業で必要な届出には何がありますか?
主なものは、保健所の飲食店営業許可、消防署への防火対象物使用開始届(多くの自治体で使用開始の7日前まで)や防火管理者の選任届、税務署への開業届(事業開始から1か月以内)です。深夜0時以降に主にお酒を提供する場合は、営業開始の10日前までに警察署へ深夜酒類提供飲食店営業開始届出書を提出します。期限や必要書類は自治体によって異なるため、管轄の窓口で確認してください。
飲食店のホームページはいつ作ればいいですか?
開店準備と並行して作り始め、オープン日に合わせて公開するのがおすすめです。オープンしてからは日々の営業に追われて手が回らなくなりがちです。オープン日や場所、営業時間、メニューを正しく伝えられるほか、スタッフ募集やオープン告知の受け皿としても役立ちます。
開業したばかりのお店でも、ホームページは必要ですか?
必須ではありませんが、あった方が来店につながりやすくなります。調査では、Instagramでお店を知った人が来店前に情報を確認する先として、お店の公式サイトが最も多く選ばれていました。まずはGoogleビジネスプロフィールとSNSを整え、基本情報がそろった1ページのホームページから始めるのがおすすめです。
参考情報
- 国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
- 国税庁「所得税の青色申告承認申請手続」
- 西宮市「防火対象物使用開始届」
- 厚生労働省「HACCP(ハサップ)」
- SOEL株式会社「【飲食店×Instagram調査】Instagramで見つけた店、来店前の「最後の確認先」は8割超が”Instagramの外”」(2026年10月13日、PR TIMES)


